弁護士に依頼するタイミングとは?

 交通事故に関する事件処理を弁護士に依頼したい、依頼しようと決めたとき、どのタイミングで依頼するのが良いのでしょうか。

 弁護士に依頼するタイミングとしては、大きく、3つのタイミングがあるかと思います。

① 事故直後

 まず、事故直後が挙げられます。

 交通事故直後で、治療に専念したいパターンや物損も存在するパターンでは、このタイミングでの委任がおすすめです。

 ただし、このパターンのデメリットとしては、依頼者と相手方保険会社のざっくばらんな交渉を経ないことにあります。

 物損などで、弁護士が入るより、依頼者と保険会社が直接交渉する方が、良いパターンなどもあるため、このタイミングでの弁護士介入が絶対に良いとまでは言えないところに難しさがあります。

③ 治療終了直前

 次に、治療終了直前での介入があり得ます。

 具体的には、治療期間の打ち切り間際や後遺障害申請間際に弁護士が介入するということもあり得ます。

 このパターンでは、依頼者様が自分では対応できなくなったタイミングで弁護士に依頼できるので、方針が決まりやすいというメリットがあります。

 一方で、このタイミングで依頼されても、治療期間を思うように伸ばせなかったり、後遺障害申請のための準備が不十分になる恐れがあるというデメリットが考えられます。

③ 示談金の提示がなされてから

 最後に、実際に相手方から示談金の提示がなされてから弁護士に依頼するというタイミングが考えられます。

 このタイミングでの依頼のメリットは、弁護士が介入することで示談金の増額が見込めることが多く、弁護士が介入した効果につき、分かりやすいという点が挙げられます。

 一方、デメリットとしては、治療期間や後遺障害など、示談金を左右する事実がこの時点で決定してしまっており、弁護士が入ってもこの点を争うことが難しいという点が挙げられます。

 以上を踏まえ、私としては、まず相談自体は、交通事故に遭われたらすぐに来てほしいと考えています。

 それは、交通事故に関しては、「知っているか知らないか」でかなり差がついてしまう事件類型だからです。

 一方で、依頼自体は、依頼者様が事実上保険会社と交渉した方がいいケースを除いては、ある程度早い段階でご依頼いただくことがベストかなと思っています。

 ただし、この辺りは、依頼者様が弁護士に何を求めるか、そして実際の状況によっても変わります。

 それゆえ、まずは、早期にご相談いただいて、方針についてお話できればいいのでは・・・と思います。

こちらの記事もチェック

後遺障害を見据える際は初期段階からご相談いただいた方が良い理由