保険会社から合意の書面が送られてきたとき

 物損や人身事故で相手方保険会社と賠償額について合意すると相手方保険会社から合意の書面が送られてきます。

 この書面につき、「免責証書」と記載されているものと「示談書」と記載されているものがありますが、これについて違いはあるのでしょうか。

 結論から言うと、効果にはほとんど違いはありませんが、形式に違いはございます。

免責証書と示談書の違いとは?

 まず、「免責証書」は、被害者の署名押印のみで成立する、一方向の意思表示が記載された書面である一方、「示談書」は、被害者と加害者の両方の署名・押印によって成立する、合意である点に違いがあります。

 しかしながら、どちらも被害者が承諾すると、それにより、相手方保険会社より既定の金額が支払われる、合意によって合意外の賠償請求ができなくなるという効果が生じます。

 すなわち、「免責証書」と「示談書」は、形式こそ違えど、効果はほとんど変わらないといえます。

 それゆえ、交通事故の被害者様は、名称にこだわらず、「免責証書」や「示談書」といった類の書面を作成すると、合意以外の金銭は原則として請求できないんだ・・・という点を認識し、注意しておく必要があります。