過失割合の決め方
過失割合を決める上で、重要なポイントが「基本過失割合」と「過失修正要素」です。
基本過失割合とは、過去の裁判例や交通事故実務からおおよそ決まっているものとなります。
※「別冊判例タイムズ38」に、よくある事故の類型が記載されています(下記出典参考)。
過失割合は、この基本過失割合をベースとして交渉を進めていくことになります。
その後、基本過失割合を微調整する具体的事実を「過失修正要素」をして、主張していくことになります。つまり、交通事故の過失割合は、はじめに基本過失割合を決め、その後、過失修正要素を検討することになるのです。
過失割合の決め方に沿わない事故
もっとも、過失割合の決め方に沿わない事故があります。
一つ目は、基本過失割合を決めることができない事故類型です。
事故によっては「別冊判例タイムズ38」や裁判例がない等、基本過失割合の決定することが困難な場合があります。
二つ目は、そもそも過失があったのか争われるケースです。
この場合、どの事故類型に属するか否か議論がなされるというよりは、事故を予見できたか、予見できたとして回避が可能であったのかなどが争われます。
以上から、「過失」といっても様々なケースがあり、決め方には難しい点も多分に含まれているのです。
ドライブレコーダーの重要性
交通事故が発生したとき、上記で記載した通り過失割合の争いになることは極めて多いです。
しかも、自分と相手方の「事故の状況」自体に食い違いが生じることは、むしろ「普通」なのです。
このような時に「ドライブレコーダー」が無いと事故態様について、水掛け論になってしまいます。
相手方のドライブレコーダー
「相手方の車にドライブレコーダーがついている場合、見せてもらうことはできますか?」と問い合わせをいただくことがあります。
しかし、残念ながら相手方のドライブレコーダーの映像を強制的に見ることはできません。
つまり、自分の身は自分のドライブレコーダーでしか守ることができないのです。
ドライブレコーダーと交渉
映像があれば、相手方に強い態度で交渉することが可能なことも多く、それが決定打になることも少なくありません。しかし、ドライブレコーダーが無い場合だと、思うような交渉が難しいという回答をせざるを得ないときが多いです。
それだけドライブレコーダーは、強力な証拠になるということです。
ぜひ、ドライブレコーダーを付けて自分の身は自分で守りましょう(煽り運転対策にもなります)。